子育て・中学校給食
横浜市の中学校給食は1食330円。小学校は無償になったのに、なぜ中学は有料のままなのか

この記事の要点
- 横浜市立中学校は2026年4月8日から全員給食に。1日約8万食をデリバリー方式で届けている
- 保護者の負担は1食330円。小学校は2026年4月から実質0円になったが、中学校は有料のまま
- 中学校給食の事業費は2026年度予算で91億8,300万円(前年度69億4,800万円)
- 異物混入や汁物の提供見合わせなど、品質への不満も続いている。新市長の公約は品質の検証に触れるが、給食費には触れていない
横浜市の中学校給食は、2026年4月から大きく変わりました。長く「家庭弁当が中心」だった横浜の中学校で、全員が給食を食べる仕組みが始まったのです。
一方で、同じ2026年4月、小学校の給食費は保護者の負担が実質0円になりました。中学校の給食費は1食330円のままです。この記事では、横浜市の中学校給食の今の仕組みと費用を市の資料で整理し、監視人の考えを書きます。
横浜市の中学校給食とは:2026年4月から全員給食に
横浜市立中学校の昼食は、長い間、家庭からの弁当が中心でした。配達弁当の「ハマ弁」を経て、2021年4月に選択制のデリバリー型給食が始まり、希望する生徒だけが給食を頼む形になりました。
2022年12月、市は中期計画で、デリバリー方式による全員給食を2026年度から始めると決めました。そして2026年4月8日、市立中学校で全員給食が始まりました。
- 1日に約8万食を、6つの工場で調理して学校に届ける
- 汁物は食缶(大きな容器)で届け、温かい状態で配る
- 特定原材料9品目について、アレルギーの代替食を用意する
出典は横浜市「横浜市中学校給食」と、全員給食の開始を伝えた報道(朝日新聞 2026年4月9日)です。
選択制だった時期の4月時点の喫食率(給食を頼んだ生徒の割合)は、次のように上がっていました。
学年別に見ると、1年生ほど高く、3年生ほど低い傾向がありました(2023年度は1年46.3%、2年36.7%、3年32.9%)。出典はこども青少年・教育委員会資料(2023年5月29日)です。
中学校給食費はいくら?1食330円、物価高の分は市が補助
保護者が払う中学校の給食費は1食330円です。食材の値上がり分は市が補助しています。最新の金額や支払い方法(口座引き落としの日など)は、市の学校給食費のページで確認できます。
事業全体にかかる市の予算は、全員給食の開始で大きく増えました。
2026年度は91億8,300万円で、前の年より約22億円増えています(令和8年度予算案 資料編)。
小学校は無償に、中学校は有料のまま
2026年4月、小学校の給食費は、国の新しい制度と市の独自の補助を組み合わせて、保護者の負担が実質0円になりました(市の学校給食費のページ)。同じ月に中学校は全員給食が始まりましたが、給食費は家庭の負担のまま残っています。
なぜ中学校だけ有料のままなのか。小学校の無償化は国の新しい制度に市の補助を足して実現したもので、中学校について同じような市の予算措置は、監視人が2026年11月1日時点で確認した範囲では見当たりません。中学校の給食費を市の判断で無償にする道はあるのに、その判断がされていない、というのが監視人の見方です。
横浜の子育て家庭の暮らしは、決して楽ではありません。市の2023年度の調査では、母子家庭の平均年収は401万円で、暮らし向きを「苦しい」と答えた世帯は52.5%でした(第5期横浜市ひとり親家庭自立支援計画)。学用品費や給食費などを援助する就学援助を受けている小中学生は、2024年度で2万7,068人(援助率10.96%)です(横浜市就学奨励対策審議会 資料)。
「ひどい」と言われる理由:異物混入と汁物の見合わせ
「横浜市 中学校給食 ひどい」という検索が多いのには理由があります。デリバリー方式の給食には、始まる前から品質への不満がありました。
- 2025年10月、中学校給食の異物混入の発生率が小学校の10倍を超えると報道で伝えられ、当時の市長が「安全が何より大事」と述べた(産経新聞)
- 全員給食が始まってからも、異物混入の報道は続いている(市の公式の集計は監視人がまだ確認できていない)
- 2026年7月1日には、一部のエリアで汁物の提供を見合わせた(横浜市 記者発表)
2026年10月に就任した原沢敦美市長は、選挙公報と公式サイトの政策で、中学校の全員給食を「安全面・供給面・品質面から一つずつ検証」するとしています。一方で、給食費の負担については記載がありませんでした。
監視人の見方:中学校も無償化を。財源は稼いでつくる
ここからは監視人の意見です。
監視人は、中学校の給食費も無償化を広げるべきだと考えています。
理由は単純です。小学校では2026年4月から保護者負担が実質0円になりました。子どもが中学生になったとたんに、毎日の給食代がかかるようになる。食べ盛りで、部活や塾の費用も増える時期に、負担が逆に増える仕組みは筋が通りません。全員給食になった今、給食は「選べるサービス」ではなく、学校教育の一部です。
もちろん、財源の問題はあります。参考までに試算すると、1日約8万食に1食330円をかければ、1日あたり約2,640万円。年に180日提供すると仮定すれば、年間で約47億5,000万円になります(提供日数は監視人の仮定で、市が公表した数字ではありません)。
横浜市は予算を組むたびに300億円規模の収支不足を抱えていて(令和9年度予算編成の当面の進め方)、この額は小さくありません。だからこそ監視人は、削るのではなく稼ぐことで財源をつくるべきだと考えます。観光や企業誘致、山下ふ頭の使い方で歳入を増やす議論と、子育て支援の議論は、別々ではなく一緒にするべきです。財政については横浜市の財政難はなぜ?で詳しく書きました。
そして、無償化と同じくらい大事なのが品質です。お金を払わなくてよくなっても、冷たい・異物が入る給食では意味がありません。市長が掲げる「検証」の結果を、異物混入の件数や食べ残しの量といった数字で、市民に定期的に公表すること。監視人はそれを求めます。
よくある質問
横浜市の中学校給食は全員が食べるの?
はい。2026年4月8日から、市立中学校で全員給食が始まりました。それまでは希望者だけが頼む選択制でした。
中学校給食費は月いくら?
1食330円です。月額は提供日数で変わり、たとえば月20日なら6,600円です。最新の金額と支払い方法は市の学校給食費のページで確認できます。
横浜市の中学校給食費の無償化はいつから?
2026年11月時点で、中学校給食費の無償化は決まっていません。小学校は2026年4月から保護者負担が実質0円になっています。
献立表やアレルギー情報はどこで見られる?
中学校給食の献立表とアレルギー情報は、公益財団法人よこはま学校食育財団の横浜市給食ポータルサイトで公開されています。給食は市内の6つの工場で調理して各校に届けています。
出典:横浜市「横浜市中学校給食」、横浜市「学校給食費」、こども青少年・教育委員会資料(2023年5月29日)、令和8年度予算案 資料編、横浜市就学奨励対策審議会 資料、2026年横浜市長選挙の選挙公報、報道(朝日新聞 2026年4月9日、産経新聞 2025年10月23日)、横浜市記者発表(2026年7月2日)。
この記事は事実(出典つき)と、監視人の意見を分けて書いています。意見は「監視人の見方」の節にまとめています。数字の誤りはお問い合わせからご指摘ください。